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個人的事情から僕はおよそ大半の学生生活を人より
二倍の時間の感覚で過ごしてきた。
朝が来て学校に行き、夜になりバイトに行く。
また朝が来てバイトを終え、そのまま学校に行く。
家に帰り泥のように眠る。
朝起きればリセットされ、また同じことを繰り返す。
僕の“一日”は地球が二度回った。
世界的事情から僕の生活は変わった。
“一日”が一日になり、“一日”を短く感じた。
毎日眠れることに小さな喜びを感じ、眠れない夜に考えた。
異常な世界で僕の時間は元に戻った。
眠れぬ夜に考える事、LOOPしているような日々。
コピー用紙のように軽く薄い一日。
あっさり終わる一日にどれくらいの厚みがあるのだろうか。
印刷された紙がトレイの上に溜まっていくように
僕の日々もそれなりに積もっているのだろうか。
2020/08/21 僕は生まれて10000日を迎えた。
10000日を迎えるまでの一ヶ月間、31日分の音を
圧縮し、削り、重ね、紡いだ作品である。
見えない、触れられない、でも確かに存在する時間と音。
偶然にも変わってしまった世界が時間というもの考えるきっかけを作り、
僕が今まで見過ごしていた今という時間を再構築して音という形になった。
1日という時間は感覚的ですが伸びも縮みも、重くも軽くもなる。
それらを重ねて産まれた音の厚みは空間上に立体的な存在となり、
視覚的には存在しない一つの彫刻と言えるのではないか。
誰しにも平等にあり、気にしなければ見過ごしてしまう時間をという形を
個人史におけるメモリアルな10000日を迎えるまでの一ヶ月間、
31日分の音を圧縮し、削り、重ね、紡いだ、音の記録の作品。
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