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a brighter summer day

​-在る夏の日-

2022

acrylic

500×500×120

鼻の上から抜ける息を感じて、僕は眼鏡を外す。

世界はぼやけて、晴れた空に視線を逸す。

そういえばこんな色だったなと思いながら、

鼻の上についた汗を拭う。

見えた気でいて、見た気になって。

 

 

 

江戸更紗は日常的なモチーフを用いた複雑な図柄と高度な職人の技によって長らく繁栄してきた。

変化していく時代の中でも、変わらないものは存在する。

空の青さも雲の形も違うけれど、晴れた空はいつだって青い。

時代性を色濃く反映してきた日常的なモチーフの図柄ではなく空というモチーフを使い、

僕の生きてきた時間軸の中で晴れの日だけ抽出した型紙を考え製作した。

いつかの空の青さを感じて、いつかの空を思い出すように、

いつかの空も、いつもの空の青さであれば良いと思う。

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